第三回都市計画史研究者の会(Planning Historians’ Meeting)2016 in 東京大学 開催のお知らせ

第三回都市計画史研究者の会2016 in 東京大学
「この先の都市計画史研究を探る」
日時:2016年11月11日 (金)16:00~
場所:東京大学本郷キャンパス工学部14号館2階222号室
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_04_15_j.html
プログラム
16:00~17:00
【研究発表】「非戦災地方都市の生産都市再建整備事業」
       高橋舜(京浜急行電鉄株式会社・2016.3 東京大学大学院修了)
        講評:西成典久(香川大学)
17:00~18:00
【研究発表】「中東・北アフリカ地域の都市計画技術協力史」
           松原康介(筑波大学)
        講評:加嶋章博(摂南大学)
18:00~19:00
2016年度の都市計画史研究のレビュー
19:00~懇親会
本郷近辺で懇親会を予定しております。
懇親会参加希望の方は、
11月4日までに中島伸(shin[at]ud.t.u-tokyo.ac.jp)までご連絡ください。
都市計画遺産研究会

第4回都市計画遺産セミナー カローラ・ハイン(デルフト工科大学)Japanese City Planning in Global Perspective

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第4回都市計画遺産セミナーを2016年10月28日(金)19時から開催することになりました。詳しくは週明けに再度ご案内しますが、世界トップクラスの都市計画史研究者であり、日本の都市計画史に関する研究論文も多数執筆されているデルフト工科大学のカローラ・ハイン教授に「Japanese City Planning in Global Perspective」というタイトルでお話を頂きます。

第4回都市計画遺産セミナー(特別レクチャー)

”Japanese City Planning in Global Perspective”
Prof. Carola Hein(Delft University of Technology)

日時:2016年10月28日(金)19時~20時半
場所:東京大学本郷キャンパス
工学部14号館222(アーバンコモンズ)
参加:申し込み不要、参加無料
主催:都市計画遺産研究会/東京大学都市デザイン研究室

※講演は英語で行われますが、質疑応答では日本語も対応可です。
※カローラ・ハイン先生のプロフィールは下記のとおりです。

Carola Hein is Professor and Head, Chair History of Architecture and Urban Planning at Delft University of Technology. She trained in Hamburg (Diplom Ingenieurin) and Brussels (Architecte) and earned her doctorate at the Hochschule für bildende Künste Hamburg in 1995. She has published and lectured widely on topics in contemporary and historical architectural and urban planning—notably in Europe and Japan—and has authored several articles and books on capital city issues in Brussels, Strasbourg, Luxembourg, Berlin, and Tokyo. From 1995 to 1999 she was a Visiting Researcher at Tokyo Metropolitan University and Kogakuin University, focusing on the reconstruction of Japanese cities after World War II and the Western influence on Japanese urban planning. Among other major grants, in 2004, she held a grant by the Brussels-Capital Region Government to investigate the urban location and architectural expression of the European capital function. In 2005-06 she has been working with a grant from the Lincoln Institute for Land Policy for research on Regional integration and land policies affecting the future development of Tallinn, Warsaw, and Budapest. In 2007, she received a Guggenheim Fellowship to pursue research on The Global Architecture of Oil.With an Alexander von Humboldt fellowship she investigated large scale urban transformation in Hamburg in international context between 1842 and 2008. Her current interest is the study of international networks and the transmission of architectural and urban ideas along these networks, focusing specifically on port cities and the global architecture of oil.

Carola Hein has authored The Capital of Europe. Architecture and Urban Planning for the European Union (Praeger, 2004), and has edited Port Cities: Dynamic Landscapes and Global Networks London: Rutledge 2011; (with Pierre Laconte (eds,)) Brussels: Perspectives on a European Capital. Brussels: Publication of the Foundation for the Urban Environment, 2007. Bruxelles l’Européene: Capitale de qui? Ville de qui?/ European Brussels. Whose capital? Whose city? Brussels: Cahiers de la Cambre-Architecture n 5, Brussels: La Lettre Volée, 2006; (with Philippe Pelletier (eds.)). Cities, Autonomy and Decentralization in Japan. London: Routledge, 2006/2009: (with Jeffry Diefendorf, and Yorifusa Ishida (eds.)), Rebuilding Urban Japan after 1945. London: Palgrave Macmillan, 2003. She has also published numerous articles in peer-reviewed journals, books, and magazines.

 

第3回都市計画遺産セミナー「都市計画史は「ニュータウン」に何を見ているのか」開催

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テーマ:都市計画史は「ニュータウン」に何を見ているのか -イギリス研究最前線との対話

日時:2015年11月7 日(土)15:30~17:30

会場:フェニックス・シーガイア・リゾート2階オーチャード北

主催:都市計画遺産研究会(日本都市計画学会共同研究組織)

基調講演:マーク・クラプソン(ウェストミンスター大学)

話題提供:中野茂夫(島根大学)、有田智一(筑波大学)、篠沢健太(工学院大学)

司会:中島直人(東京大学)

記録:中島伸(東京大学)

 

趣旨説明(中島直人)

都市計画遺産研究会では、都市計画遺産セミナーとして、海外から都市計画史研究者を招聘し、海外の都市計画史研究の状況を伺い、日本の都市計画研究の可能性を探ることを目的に開催している。今回は20世紀後半最大の都市計画遺産のひとつである「ニュータウン」を取り上げ、日英を比較しながらこれからの都市計画史研究の展望を議論したい。

 

基調講演「New Towns in Planning Studies in England」(クラプソン)

イギリスの田園都市運動は、1903年のレッチワース、1920年のウェルウィンによって、新しいコミュニティづくりの先駆けとして始まった。田園都市運動に導かれたNT建設は第二次世界大戦後に結実し、3つのNT法が戦後つくられるが、重要なものは、戦災復興としての重要な側面を持つ1946年法と、最大級のNTであるミルトンキーンズを生んだ1965年法である。今日ではNTに270万人がイギリスでは住んでいる。

戦後イギリスのNTにおいて、近隣住区計画、交通及びコミュニケーション計画、住商分離のゾーニングなどが新しい重要なNT建設の価値として提供された。近隣住区計画については部分的には成功し、ラドバーンシステムによる歩車分離は旧市街の混在型地区に比べて成功したと言える。最大規模のミルトンキーンズでは、自己完結性としては最も成果を挙げたと言える。しかし、現在の絶望的な住宅不足と都市計画協会(TCPA)によるロビイング活動にも関わらず、NTのような大規模なプログラムにわずかな政治的意図しか働いていない。

 

話題提供1「近隣住区論の導入とニュータウン」(中野)

日本のNT建設は、戦時下の新興工業都市計画からはじまったとされ、内務省の指導要領には近隣住区の考え方が取り入れられていた。それ以前にも内田祥三らが手がけた大同、勝田などの都市計画において近隣住区論の影響が読み取れる。この近隣住区論の受容が日本の導入過程の根幹になったと見てよい。日本にとって、田園都市論が自然豊かな住宅地のイメージとして定着した理論だったのに対して、近隣住区論は都市計画の具体化の理論であり、日本の実情に合わせた段階的展開があった。

 

話題提供2「 筑波研究学園都市を対象とした「日本における都市計画理論の実践」の検証の意義」(有田)

日本では通常郊外ベッドタウンとしてNTが成立してきた。そこで筑波の自立型都市の構想、実現は重要である。現在筑波が直面している構造転換課題として、①東京の過密抑制という従来の目的の喪失と自立都市圏としての持続可能性、②サイエンスクラスターとしての存在意義の転換期、③均衡のとれた田園都市の実現、④計画、開発における国主体から自治体、市民主体のマネジメントへの移行、⑤これまでの都市計画、設計基準の有効性の検証と時代変化への対応が挙げられる。

 

話題提供3「地域文脈の視点からの郊外住宅地の再編」(篠沢)

千里NTを事例として、現代の郊外住宅地の再編と再生のための潜在する自然環境構造を解読した。近代的建設により弱められ、失われた空間組織と社会組織のつながり、建設後の人々の住みこなしにより生じた環境の改造や改善の意義を読み取ることが不可欠である。千里NTでは、NT全体で計画単位としての「谷」の継承、住区レベルではため池をベンチマークとする地形の継承、団地レベルでは地形の連続性と変換点の継承が、各スケール、事業段階で行われていた。

コメント(クラプソン)

イギリスでは近隣住区論は1960年代には有効になっていたが日本では必ずしもそうではなかった。地形的な問題が土地利用に大きく影響していた。千里NTでは、地元の農業の影響が気になった。イギリスでは都市開発に大きな反対を受けていた。筑波の自立型都市を目指すことは日本の他の都市においても共通するだろう。筑波の建築水準は高い。日本のNTは密度の問題に他国よりも適切に対処できているのではないか。

コメント(篠沢)

農家がNTに反対する傾向だが、時代が下ると農地利用が減り反対も減る。そして計画の自由度が上がるが、反対譲歩によるため池を残すなど条件がつき、それが魅力的な空間になった。

コメント(有田)

筑波の最初のマスタープランは文脈を無視して理想的に書いたことで、地元農家の大反対があった。当初、インフラ移住者の苦労があり、これらをまとめた記録集もある。近隣センターが重要だった時期もある。NTも時代毎に成長している。

コメント(中野)

日本の高密なNTは設計標準等によってつくられているが、評価は分かれるところ。日本らしさはまだ研究蓄積が浅いが、当時の計画単位を理解することが重要。

コメント(中島直人)

人口、住宅不足の状況が日英では大分異なり、NTの都市計画史研究をする意義も大分異なりそうだ。

コメント(会場から)

日本は既にNTに内在した持続可能性があるのに、継承されずに変更されてしまうことが課題ではないか。

コメント(会場から)

日本の都市計画技術が大きく力をかけたのは、土地取得の点にある。イギリスは比較的簡単だったようだ。今後日本も土地が余り始める。土地取得について比較したい。

文責:中島伸(東京大学)

 

第二回都市計画史研究者の会(Planning Historians’ Meeting)開催のお知らせ

10月 12, 2015 by · Leave a Comment
Filed under: イベント, 都市計画遺産研究会 

昨年の11月、広島で開催した第一回都市計画史研究者の会から1年、
今年も日本都市計画学会大会に合わせて、第二回都市計画史研究者の会を宮崎にて開催致します。
参加希望者は、研究会幹事:中島直人(naoto[at]ud.t.u-tokyo.ac.jp)まで、メールまたはFBのメッセージでご連絡下さい。

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第二回都市計画史研究者の会
2015年11月6日(金)
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■第1部
宮崎都市計画遺産めぐり まち歩き
13時~14時30分
集合場所:JR宮崎駅構内 宮崎市観光案内所前
案内:永瀬節治先生(和歌山大学)
明治10年代に市街地が形成し始め、鉄道敷設や街路整備が進展しますが、昭和2年に都市計画対象都市として指定され、近代都市計画が本格的に進められてきました。第二次大戦後の戦災復興都市計画、高度経済成長を経て現在では人口40万人を擁する県都として、開放的な骨格を有する都市となっています。
まち歩きではこうした宮崎の都市形成の中で肝となった都市計画の履歴を巡りながら、その遺産としての価値や保全の可能性について、また現代のまちづくりへの接続のあり方について考えるヒントを得たいと思います。

■第2部
都市計画史研究会
15時~17時30分
会場:宮崎グリーンホテル会議室
http://www.miyazaki-green.co.jp/
議題
・「都市計画史選奨2014」
この1年間の都市計画史研究を徹底的にレビューします。
・2019年 都市計画法100年に向けての取り組み
・IPHS2018とIPHS日本支部設立

■第3部
懇親会
18時~
会場:宮崎市内

なお、大会初日には、
日本都市計画学会大会行事として、
以下のようなワークショップを企画しております。
こちらにも奮って、ご参加ください。

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WS(第3回都市計画遺産セミナー)
「都市計画史は「ニュータウン」に何を見ているのか
―イギリスの研究最前線との対話―」
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2015年11月7日(土)15時半~17時半
@宮崎シーガイア

講演:
・マーク・クラプソン先生(ウェストミンスター大学教授)
パネリスト:
・有田智一先生(筑波大学教授/筑波研究学園都市研究会)
・篠沢健太先生(工学院大学教授/ランドスケープ/建築学会地域文脈デザイン小委員会)
・中野茂夫先生(島根大学准教授/近隣住区論研究会/都市計画遺産研究会)

趣旨:
「ニュータウンが依然としてそこから多くを学びうる二十世紀の実験である」-20世紀後半の最大の都市計画遺産が「ニュータウン」であることは論を俟たない。我が国のみならず世界各国において同時代的に建設されたニュータウンの再生や成熟化が世界共通の課題となっているのと同時に、都市計画遺産ないしは都市計画史研究において「ニュータウンをどう扱うか」は、各国の都市計画史研究の国際的な水準を見定め、相対化する格好のテーマである。本ワークショップでは、最近、イギリスのニュータウン計画を包括的に省察する論考を発表されたマーク・クラプソン氏を基調講演者にお迎えし、「ニュータウン」を巡る都市計画史の研究の視座・視点、知的再評価の方法について日英を比較しながら議論することで、我が国の都市計画史研究のこれからを展望してみたい。

第一回都市計画史研究者の会(Planning Historians’ Meeting)開催のお知らせ

10月 1, 2014 by · Leave a Comment
Filed under: イベント, 都市計画遺産研究会 

第一回
都市計画史研究者の会(Planning Historians’ Meeting)開催のお知らせ

日本の都市計画にとって重要なアニバーサリーである2019年=都市計画法制定100周年が近づいています。2019年は日本の都市計画の省察と展望の良い機会となるはずですが、その際、都市計画史研究が大きな役割を果たすと考えられます。日本の都市計画はどのような個性を持ち、どのような成果を残し、これからどこへ向かうべきなのか、そうした問いに答えなければいけないのは、都市計画の過去、現在、未来をつなぐ都市計画史研究者です。
近年、日本都市計画学会の学術講演会はもちろんのこと、国際都市計画史学会(IPHS)の大会でも日本人研究者による研究発表が継続的に活発に行われてきており、都市計画史研究の蓄積、広がりが確かに見られるようになってきています。5年後に迫った2019年に向けて、都市計画史研究者は個々人の研究を引き続き充実させつつ、都市計画史研究分野全体として、さらなる発展、活性化の戦略を持つべき時期に来ています。日本の都市計画の足跡をさらに広く深く追いかけるとともに、欧米中心の従来の都市計画史を相対化する真の意味での国際的な視野と発信が、日本の都市計画史研究者に期待されています。
今回、広島での日本都市計画学会学術講演会開催の前日という機会に、都市計画史研究者の集まりを企画しました。主な議題は「2019年に向けた都市計画史研究の展望」です。各人が抱える研究テーマを今後、どのように発展させていくのか、あるいは、都市計画史分野全体としてどのような研究の戦略がありうるのか、参加者が簡単なメモを持ち寄り、フランクに議論する場としたいと考えております。IPHSの次回2016大会(デルフト工科大学)での企画や、次々回2018大会の日本開催計画なども、積極的に話題としてとりあげます。
長年、広島の都市計画史を探求してこられた石丸先生の特別レクチャーも予定しております。
皆様のふるってのご参加をお待ちしております。
■日時:
2014年11月14日(金)15時~18時半
※なお、会合後、19時より会場近くの居酒屋で懇親会を予定しております。
こちらも(あるいは日中の都合がつかない方はこちらだけでも)、ぜひ、ご参加ください。
■会場:
安芸リーガルビル会議室
広島市中区上八丁堀8-14 安芸リーガルビル2階
最寄駅:広島電鉄9系統「女学院前」駅 徒歩1分
電話番号:082−502−0428
■主催:
都市計画遺産研究会(日本都市計画学会共同研究組織)
 http://www.planning-heritage.net/
■プログラム:
・特別レクチャー 「広島県・市による平和構築・人材育成事業は有効か/広島の復興を海外にどう伝えるか、留意すべきことは何か(仮)」(石丸紀興先生)
・2019年に向けた都市計画史研究の展望(参加者全員によるディスカッション)
※参加者はA4・1枚程度の簡単なメモをご用意ください。
※必要部数(参加人数)については確定次第、お知らせいたします。
■参加者(定員25名)
都市計画史の研究者および研究者候補の学生
 ※現時点での参加予定者
・秋本福雄
・石丸紀興
・加嶋章博
・小林敬一
・佐野浩祥
・津々見崇
・中島 伸
・中島直人
・中野茂夫
・西成典久
・初田香成
・松原康介
・山口敬太
・渡辺俊一
■参加申し込み・問い合わせ先
メールにて、幹事まで。
幹事:中島直人(慶應義塾大学、都市計画遺産研究会)
naoto@sfc.keio.ac.jp
※懇親会への参加の有無についても、合わせてお知らせください。
 ※会場、懇親会等の予約の都合上、10月20日頃までにお願いします。

第2回都市計画遺産セミナー報告 中国の都市計画史と日本の都市計画史 -学術コラボレーションの可能性を求めて

中国の都市計画史と日本の都市計画史-学術コラボレーションの可能性を求めて

 

日時:2013年11月9日(土)13時~15時
会場:法政大学田町校舎T413教室
主催:都市計画遺産研究会(日本都市計画学会共同研究組織)
発表者:李百浩(東南大学)、侯丽(同済大学)、傅舒蘭(浙江大学)
コメンテーター:渡辺俊一(東京理科大学)、中野茂夫(島根大学)、中島直人(慶應義塾大学)、中島伸(東京大学)
司会:初田香成(東京大学)
記録:田中暁子(後藤・安田記念東京都市研究所)

●趣旨説明(中島直)
都市計画遺産研究会は都市計画史研究の活性化を目的とした若手の集まりである。昨年、中国の都市計画学会の中にも都市計画史の委員会が設立された。都市計画史研究分野において中国と日本で一緒に何が出来るか。今までは欧米と日本との比較が多かったが、中国を含む三点間で比較することで立体的にみることが出来ると思う。

●発表1「中国の都市計画研究・教育の現状と都市計画史」(傅)
中国では、2011年以前は城市規劃(都市計画)学科は設置されておらず、建築学科の下の二級学科(コース)扱いだった。2011年以降「城市規劃」が一級学科になった。現在、175の大学に都市計画のコースが置かれている。国が指定している10の主要授業科目の中に「都市発展・計画史」がある。中国城市規劃学会は1987年に建築学会から独立した。11の小委員会(学術委員会)があり、昨年、都市計画史の委員会が設立された。中国の歴史研究では、古代・近代・現代の明確な区分が共有されている。古代と近代の区分は1840年のアヘン戦争、近代と現代の区分は1949年の中華人民共和国の成立であり、都市計画史もそれに従っている。中国では、都市史・都市計画史・都市保全・建築史研究が混在していてピュアな都市計画史研究者は少ない。科研費がとりにくいことや、地図が国家秘密となっていて入手しづらいことがネックとなっている。

●発表2「近代以降中国における「城市規劃」用語の変遷」(李)
都市計画の歴史資料(学術著作、翻訳書、政府広報、計画書類)から”city planning”に対応する言葉を抽出した。城市規画、都市改良、都市設計、都市計画、都市規画、市政計画、城市設計、城市計画、都市規劃、市区規劃、都市営建、都市計劃、城市計劃など、全46語があった。cityに対応するのは主に城市と都市の2つ、planningに対応するのは主に規画、設計、計画、計劃、規劃の5つである。主要な用語で時代を区分すると、「城市規画」(1913)、「都市計画」(1918-1928)、「城市設計」(1928-1934)、「都市計劃」(1934-1956)、「城市規劃」(1956-)となる。中国では、欧米の科学技術を導入する際、中国の伝統文化に基づく学習・再構成のプロセスを経る。”City planning”についても、既存の漢字に新しい意味を与えて新しい概念を表現した。「規劃」は近代以前の中国において最も多く使用されてきた用語である。一方で、「計画」は日本からの逆輸入であった。

●発表3「The Unplanned Path of Chinese Planning Schools」(侯)
中国では、都市計画を学ぶ学部生が3万人、修士課程が3660人、博士課程が436人いる。この10年で急激に増えた。中国の都市計画教育史は、1952年以前:萌芽期、1952年から1960年:第一次ブーム、1960年代から70年代中ごろ:低迷期、1970年代から80年代:回復期、1990年代:改革期、2000年代:繁栄期と画期できる。最初の独立した都市計画プログラムは1952年に同済大学に設立された。1960年代は文化大革命で失われた時代である。1970年代は都市計画が職能として復活し、南京大学、北京大学、中山大学、杭州大学(後に浙江大学に吸収)で地理学を中心とした都市計画コースが創設された。1990年代は改革の時期で、デザインスタジオが重視されるようになった。現在、中国では都市計画関係のプログラムが300以上あるが、教育資源の問題で、トップとボトムの差が大きくなっている。

●コメント(中野)
かつて中国と日本の都市計画史が交わった点は近代以降2つあるのではないか。一つは日本の中国侵略期に中国の都市計画をかなりやっていた時代。もう一つは直接的な関係ではないが、戦災復興の際、日本の戦時中の都市計画の影響がかなりあったのではないか。その後、中国では特に土地所有の違いから、日本とかなり異なる都市計画体系が進んでいったが、北京オリンピック以降、保全・保存が俎上に上がるようになった。そこに研究の接点があるのではないか。

●コメント(中島直)
中国の都市計画史を通して日本の都市計画の特徴に気付かされるということも大事である。例えば、日本では1960年代に都市計画の専門学科が出来たが、その後は、中国と違い、都市計画の専門コースが数多く設立されるということはなかった。専門家を養成できなかったわけだが、1960年代、70年代の都市開発の時代をのりきった。専門家がいなくても、都市をつくれたのはなぜだろうか。

●コメント(渡辺)
都市計画研究をなぜやるか。自分のやってきたことは、国際的に比較したり歴史的に眺めてみたりすることで、都市計画が何なのかを理解することであった。国際比較も歴史研究も同じ関心に基づいている。日中比較で興味深いのは、中国は官僚主義だがプロフェッショナリズムが成立している点。100年前は汚かったけれども、今はきれいになりつつある東アジアの都市計画は、世界スケールで見てもとてもユニークである。都市計画のストーリーを検証してみたい。

●コメント(李)
中国の都市計画史研究はスタートが遅く、まだ若い研究分野である。1949年から1980年までは、近代(中華民国)の研究はあまりできなかった。今後、文化の多様性・歴史を大事にした都市をつくるという世界的潮流の中で、都市計画史研究は大事である。研究の方法、資料収集、厳密な分析という点でも情報を交換していきたい。

●コメント(侯)
中央官僚が引っ張っていたと言う点は似ている。というのも、中国は1949年以降ずっと計画経済のソ連を勉強していたからだ。今、中国の手本の一つは東京。中国もそろそろ都市化が終焉を迎えている。上海市の再開発の際に参考にしている。お互いの国の歴史・経験、エピソードの共有が大事である。

●コメント(会場から、渡部與四郎元都市計画学会会長)
1989年に日中交流の協定を結んだ。現在、日本・中国の関係を修復したいと思っている。例えば地球環境問題への対応を含めて都市計画をどうするか。そういう具体的な話をしたらいいと思っている。

●まとめ(中島伸)
今回が日中交流の端緒であり、互いにバックグラウンドを共有できたと思う。昨日のプレワークショップでも感じたが、都市計画史研究者として史料に向かう眼差しは、国が違っても同じである。

第1回都市計画遺産セミナーのお知らせ Civic Art: its Legacy and Contemporary Relevance?

来たる2013年3月8日に、都市計画遺産研究会主催の第一回都市計画遺産セミナーを開催致します。今回は、イェール大学教授のアラン・プラッタス氏を招聘します。「都市計画家、都市デザイナーにとって、都市計画史はいかなる意味を持つのか」を「シヴィックアート」をテーマにご講演して頂きます。下記、詳細です。
>>第一回都市計画遺産セミナーのポスターはこちら

Planning Heritage Seminar #1
Special Lecture
Prof. Alan J Plattus(Yale University)
Civic Art: its Legacy and Contemporary Relevance?

第一回都市計画遺産セミナー
アラン・プラッタス氏(イェール大学建築学部教授)講演
『シヴィックアート:その遺産と現代的意義』

■日時:2013 年3 月8 日(金)14 時~ 16 時
■会場:東京大学工学部1 号館3 階建築学科会議室 (東京大学本郷キャンパス)
■使用言語:英語・日本語   ※ご講演は英語で行って頂きますが、逐次通訳が入ります。
■定員:30 名(事前申し込み先:中島直人(慶應義塾大学)naoto@sfc.keio.ac.jp)

■趣旨:
歴史家は歴史を書くために歴史に没入します。では、都市計画家や都市デザイナーは何のために歴史に向き合うのでしょうか。 それは都市の現在、都市の未来のためではないでしょうか。本セミナーでは、イェール大学建築学部で都市デザインの教育に携わり、イェール・アーバンデザイン・ワークショップを設立し、地域コミュニティとの協働を基盤とした都市デザインの実践を行ってきたアラン・プラッタス教授を招聘し、「過去のアーバニズムにどう現代的な意義を見出すのか」というテーマでご講演を頂きます。プラッタス教授は、1922 年に出版されたワーナー・ヘゲマンとアルベルト・ピートによる名著『アメリカのヴィトルヴィウス 建築家のためのシヴィックアートの手引き』の復刻や、イェール大学のお膝元であるニューヘイヴン市のシ ティ・ビューティフル運動時代の傑出したプラン『ニューヘイヴン計画1910』の復刻を手がけてこられました。一方で、ニューアーバニズム運動にも最初期から関わり、コネチカット州の中小都市を中心に、アメリカ内外でニューアーバニズムの実践を展開されています。「シヴィックアート」をキーワードに、歴史への言及と実践活動との関係についてお話し頂きます。

■アラン・プラッタス氏の詳しいプロフィールは下記をご覧下さい。http://www.architecture.yale.edu/drupal/people/faculty/plattus-alan-j http://www.architecture.yale.edu/UDW/profile/alan.html

■都市計画遺産セミナーとは?
都市計画遺産研究会(日本都市計画学会共同研究組織)は、「我が国の近代都市計画が現在までに生み出してきたもの、そしてその中で将来に遺していくべきものは何か」を問い、それらを新たに提起、定義すべき「都市計画遺産」(planning heritage) という概念のもとで整理し、今後の都市づくりにおける扱い方について検討していくこと)を目的に、2010 年4 月より活動を開始しています。都市計画遺産研究公開セミナーは、都市計画遺産研究会が主催する公開研究会で、毎回、「都市計画史」や「都市の歴史」をテーマに、国内外から講師をお呼びし、「都市計画遺産」についての知見を磨いていきます。

ぜひ、ご参加下さい。

 

「前現代の都市・建築 遺産としての可能性を問う」、盛況

9月13日、建築学会大会二日目の午前中に開催されたPD「前現代の都市・建築 遺産としての可能性を問う」は、予想以上に多くの方に集まって頂き、広範な議論を行うことができました。資料集も完売です。議論の内容は、近いうちに『建築雑誌』に報告が掲載される予定です。改めて、この「前現代の都市・建築」への関心が高まっていると肌に感じました。

第5回前現代委員会とPD「前現代の都市・建築 遺産としての可能性を問う」開催のお知らせ

6月18日の午後、建築会館にて、第5回前現代委員会の研究会を開催しました。今回は、中野茂夫さんが「松江の官庁街形成」について、小山雄資さんが「鹿児島を中心とした住宅協会の活動」について、最新の研究成果を発表して下さいました。質疑では、まさに都市計画史、住宅政策史、近現代建築史を横断する、「前現代」の本質を問うような議論が展開されました。特に今回は改めて「前現代」における「地方」の重要性が浮かび上がったように思われます。

さて、私たち前現代委員会では、9月の建築学会大会において、下記のようなパネルディスカッションを企画しております。ご関心のある方は、是非、ご参加ください。これまでの前現代委員会での議論を紹介しつつ、さらに視野を広げていきたいと思っております。

タイトル :「前現代」の都市・建築 遺産としての可能性を問う

資料 : あり

日時 : 9月13日(木)9:00~12:30

会場 : 名古屋大学

司会 倉方俊輔(大阪市立大学)

副司会 中野茂夫(島根大学)

記録  小山雄資(鹿児島大学)・石榑督和(明治大学)

プログラム             

1.主旨説明 中島直人(慶應義塾大学)

2.主題解説

❶設計者として語る前現代遺産 伊達美徳(まちプランナー)

❷昭和の都市、建物の魅力をどう伝えるのか? 鈴木伸子(編集者、ライター)

❸前現代の都市・建築遺産の都市史・都市計画史的意義とその現状 初田香成(東京大学)

❹身近にある前現代建築の魅力とその活かし方 高岡伸一(大阪市立大学、ビルマニアカフェ)

3.討論 

コメンテーター

北垣亮馬(東京大学)・青井哲人(明治大学)・中尾俊幸(株式会社アール・アイ・エー)

「前現代」は「現代」ではないが歴史として画期が確定したわけでもない、近過去のある時期を指す造語である。40歳以下の委員で構成される「前現代都市建築遺産(の)計画学的研究【若手奨励】特別研究委員会」では、戦災復興期以降、霞ヶ関ビルが完成し、現行都市計画法が成立する1970年前後までを「前現代」期と設定し、この時期に生み出された様々な都市・建築空間の遺産価値やまちづくりへの活かし方について研究を進めてきた。

今世紀の都市は、そのありようを肯定するにせよ、否定するにせよ、事実としてストックに埋め尽くされている。そして、我が国における建築ストックの多くは「前現代」期に建設されたものである。しかしそうしたストックは、エイジング=老朽化という図式の下、特に次なる大震災への備えの意識から、耐震性の不足という理由ですでに更新の対象となり始めている。我が国の都市の近代は「歴史を消し去る歴史」であったが、これからもその歴史を繰り返すのだろうか。少なくとも、今まだその多くが健在のうちに、それらの遺産価値について議論し、それらを使い続け、都市を成熟させていく、都市生活を豊かにしていくアイデアを用意しておきたい。

近年、前現代の遺産に対するまなざしは確実に豊かになってきている。かつての近代建築の遺産評価の主流であった作家論や意匠論ではなく、都市論、生活論との結びつきをより強めている。日常生活の中に、これらの「少し古い」ものを自然と取り込む人が増えてきている。

本パネルディスカッションでは、委員会での議論を土台としつつ、開かれた議論の展開を目指す。実際に設計した立場、魅力を伝える立場、それを日常生活に取り込み、活用を試みる立場、再開発事業に携わる立場など、異なる立場から、前現代の都市・建築遺産とは何か、それをどう評価し、どうまちづくりに活かしていくのかを議論したい。

 

過去の津波被害からの復興計画史調査

ご報告が遅れてしまいましたが、この夏に、都市計画学会の実施した「過去の津波被害からの復興計画史」調査に、都市計画学会共同研究組織である都市計画遺産研究会のメンバーも協力しました。岩手、宮城における復興計画史に関する資料を収集し、都市別に整理しました。報告書自体はまだ先の発行になりそうです。都市計画遺産研究会としては、ここで得た知見を「三陸海岸都市の都市計画/復興計画アーカイブ」に反映させて公開していくのと同時に、引き続き、今回の被災地のより詳細な調査を行い、減災のための都市計画、まちづくりについて提言していきたいと考えています。なお、夏の調査に基づいた簡単な報告を、メンバーの中島が『建築雑誌』2011年11月号に寄稿しました(中島直人「計画遺産のアーカイビング 三陸地方の復興計画史からの展望」)。また、同内容を、明治大学建築史・建築論研究室主催の都市発生学研究会でも発表しました(当日の報告内容については、青井哲人先生がブログに感想を書いて下さいました)。以上、是非、ご一読ください。

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